ある日のできごと

「ねぇ・・桃先輩。乾先輩の素顔ってみたことあるんすか?」 「なんだ?突然。ねぇよ。あの先輩・・合宿行った時も防水し様とかいって、  眼鏡かけたまま風呂はいってたし」 「なになにー?二人とも面白そうな話してんじゃんよ♪」 「英二先輩は見たことあるんすか?」 「んにゃ。無いよー。ね、大石」 「あ、あぁ・・。そういわれれば一度も無いな」 突然話を降られた大石も、首を振りながらそう言った。 「僕たちも最初は気になってたんだけど、時間がたつにつれ、  不思議となれちゃったみたいなんだ」 不二も話に混ざってくる。 ・・今日は地区大会に向けて、レギュラー陣だけ特別に部活があった。 みんな練習好き(というかテニス好き)のため、 不服を言うものも無く、部室で着がえているところである。 とはいうものの、河村と海堂はこの場にいなかった。 河村は今日は宴会の予約が入ってるから店を手伝わなければならないらしい。 海堂は委員会があるということなので、遅れてくる予定である。 ちなみに、乾はどうしても推理小説の続きが気になるということなので、 練習には参加していない。 今はレギュラーではないことであり、別に問題はないのだが。 「あらためていわれると気になるよね」 「やっぱり、かっこいいんだろうにゃ。少女漫画的展開ではv」 「なんすか・・その少女漫画的展開って・・」 「よくあるじゃない・・眼鏡をはずすと実は美少年だったってパターン」 「なるほど。・・って先輩そんなのよんだことあるんすかーー!?」 納得しつつも、つっこみを入れる桃である。 「まあまあ。それはおいといて。問題は誰が眼鏡をはずさせるって所なんだよね」 『って!一体いつの間にそういう話に!?』 口に出したらなんだかマズそうなので、心の中で突っ込みを入れる(笑) 「まぁ・・やっぱり、後ろからさっ!ってとるのが一番なんじゃあ・・」 「それしかないっすよね」 「素直にはずしてっていうのは駄目なのか?」 「わざわざお風呂にはいるときにまで眼鏡かけてくるひとが、  そう簡単にはずすと思う?大石」 「うーん・・そうだなぁ・・」 なんだかんだいって、みんな素顔が気になるのであった。 「じゃあ、隙を突いてめがねを取る・・に決定だね。で、誰が行くの?」 「ここは、いいだしっぺの越前に・・」 「先輩!それはずるいっすよ!!」 「ここは平等でじゃんけんでいく?」 菊丸の提案に異論があるはずもなく、みんな頷く。 「・・おい。お前達・・いつまでやっているつもりだ。  いいかげんにしないとグランド十週だぞ・・!」 一人話題には参加していなかった手塚が、眉間にしわを寄せてそういった。 「ほらほら。手塚もじゃんけんに参加して♪」 「なんで俺が」 「気にならないの・・??」 「・・そ、それは・・」 参加こそしなかったものの、せまい部室の中。 ばっちり内容は聞こえており、密かにちょっとまざりたいかも・・ なんて思っていた手塚である。 「・・あれ?誰もいないと思ったら、まだ部活はじまってなかったんすか?」 「あーvv薫ちゃん!タイミングいいね」 「なんすか?」 「実は・・」 かくかくじかじか・・(笑) 「で、もちろんかおるちゃんも参加するよね?」 「・・別に・・」 「でも、気にならない??」 「・・!それは・・・・・・・わかりました・・・。参加します」 「決定!手塚も参加ね。じゃあ、ださもんまーけのじゃんけいほい♪」 ・・何度かあいこが続き・・ 「うしっ!海堂のまけな!!!」 「・・ちっ・・」 「はぁー・・俺じゃなくてよかった。乾になんかしたら報復すごそうだもんね。  俺たちの弱点とか知り尽くしてそうだし」 「海堂君。がんばってね」 「・・気の毒だけど・・俺も気になるしな 」←結構鬼・(笑) 「・・で、どうしたらいいんですか・・・・」 「そうだねぇ・・今日は乾もう家に帰ってるのかな」 「さっきそこの木の影で本読んでるのみましたけど?」 いわなきゃいいのに、思わず言ってしまうところが海堂であった。 「きっと家まで我慢できなかったんだな。図書室は今日閉まってるらしいし」 「海堂君。後ろからそぉーーっと近づいて、とるんだよ」 「万が一失敗した時は、それとなくはずすように仕向けるんだよー♪」 「そんな無茶ッすよぉ・・」 「がんばれよ!俺たちは隠れてるからv」 先ほど見たときと同じ場所に乾はいた。 あいかわらず木にもたれて本を読んでいる。 (・・後ろから・・そっと・・だよな・・?  今なら本に集中してそうだし、いける・・かな?) かなりドキドキしながらも、足音を立てず乾の後ろ側から近づいていく。 幸い地面が芝生だった為、足音はたたなかった。 (・・まだ気付いてない・・よな・・。うー・・緊張する・・。  ばれたらやっぱり俺が怒られるんだろうか・・) 先ほどの「弱点を知り尽くしている」「報復」などの言葉を思い出し、 少々気が重くなったが、やはり好奇心と壁に隠れているレギュラー陣からの 期待の目線(一部脅しの目線あり)におされ、 ついに乾との距離が腕を伸ばすと眼鏡に届く距離となった。 (先輩・・気付かないでくださいねっ!!) そぉーーっと手をのばし、予定通りに一気に眼鏡をと・・ろうとしたのだが・・・ 「誰だ・・!?!?」 「うわぁーーー!!」 あっさりばれてしまった。 海堂は驚きのあまり、しりもちを着く。 「・・海堂・・!?」 「え・・あっ・・!?」 動揺のあまり、言葉にならない。 (ど、どうしよう!?!?俺・・怒られる!?報復!?弱点!?!?) 根が純な海堂は、人の隙をつこうとした罪悪感と先ほどの数々の脅しの言葉に、 パニックになる。(といっても、身体が硬直している為、顔にしか出てないが) 「お、おい。海堂!落ち着けって!!一体なんでここに・・?部活は・・!?」 「あー・・えっと・・。い、今休憩中なんですよ。  そこで休憩してたら、先輩がいたんで声をかけよっかなぁ・・と思って・・」 ーーレギュラー陣SIDEーー 菊丸「あーあ・・ばれちゃった・・」 不二「やっぱり、海堂君にはちょっと難しい仕事だったかな?彼の性格上」 桃城「海堂のやつ、近づく時ロボットみたいにかちこちでしたね」 越前「でも・・先輩一応がんばってるみたいっすよ?」 手塚「ごまかそうとしてるな・・」 菊丸「がんばれー薫ちゃん♪」 大石「悪いが・・もう少しがんばってくれよ」←やっぱり鬼(笑) とりあえず、応援だけはするレギュラー陣であった(笑) ーー乾&海堂、SIDEーー 「もう休憩なのか・・?早いな。  まだはじまって30分ぐらいしかたってないはずだぞ・・?」 「えっ!?・・え、越前の奴が足くじいちゃって大石先輩が保健室に連れて行ってて・・!  次は大石先輩と越前の試合だったからとりあえず帰ってくるまで休憩って事で・・」 ばれてはまずい・・と、必至でごまかしている海堂である。 「ふーん・・時間がもったいないから先にすればいいのに。まあ・・いっか」 とりあえず納得させたのもつかの間、本題がまだ残っている。 (どうしよう・・。このまま帰ったら怒られそうだし・・) 「あの・・ところで乾先輩・・。先輩って、眼鏡はずさないんですか・・??」 こうなったら、素直に行くのが一番!と思ったらしい。 ・・まあ・・さすがに眼鏡はずして・・とはいえなかったみたいだが。 「・・?そりゃ・・はずすけど?風呂はいるときとか寝る時とか・・」 「そ、そうですよね・・・!!」 「・・・???」 一体今日の海堂はどうしたいうんだ・・。 言っている事がなんだか変だし、妙に焦っている。 ・・何かいいたそうな気配だが・・一体何を・・? (・・・!!・・そういうことか・・) ふう・・と、視線をさまよわせると・・やっぱりいた。 (・・あれは・・菊丸と・・桃だな・・と、いうことは・・) おそらく残りのレギュラー陣もいるだろう。 ・・一匹見たら三十匹はいる・・ごきぶりなみの扱いだった(爆) 「なぁ・・海堂・・。もしかしてこの眼鏡かけたいのか・・?」 わざと、少しまとのはずしたことをいってみる。 「・・!!あっ!はいっ・・!!一体その眼鏡をかけるとどんな風に見えるのかなぁ・・って、  ずっと思ってたんスよ・・!!」 疑う事をしらない素直な海堂は、すぐにのってきた。 「やっぱりね。貸してあげてもいいけど?でも、俺あんまり人に眼鏡はずしてるとこ  見られたくないから・・こっち向きでならいいよ」 海堂に背を向ける。・・つまり、レギュラー陣には背中を見せるという事になる。 「・・えー・・と・・」 (・・こっち向いたら先輩達みれねぇよな・・。  でも・・今を逃したら二度とチャンスは無いかも・・。  ・・・・・・・・・・・すみませんっ!!やっぱり気になりますっ!!) 裏切ると後が恐いが・・誘惑には勝てなかった・・。 「・・と、その前に・・」 ーーレギュラー陣SIDEーー 菊丸「い、今の・・ばれちゃったかな・・!?」 桃城「だ、大丈夫じゃないっすか・・!?すぐにひっこんだし・・!!」 つい、顔を乗り出してしまっていた二人である。 不二「駄目じゃない二人とも。のぞきっていうのは、    ばれたらおしまいなんだからねっ!」 大石「のぞき・・っていういいかたも・・ちょっと・・(汗)」 越前「先輩・・結構ねばってますね」 手塚「ああ・・。やはり気になるんだろうな」 菊丸「あっ!!うしろむいちゃったっ!!」 不二「ばれたのかな・・?・・とりあえず場所移動しよう。    このままじゃ、万が一はずしたとき見えないし」 不二の言葉で、みんな移動しようと腰を挙げたそのとき・・ 全員『あーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!』 ーー乾&海堂SIDEーー 一体レギュラー陣をさけばしたものとは・・ 少々時間をさかのぼってみよう。 「・・と、その前に・・」 「・・??なんですか・・?」 「さっき、風呂はいるときと寝る時は眼鏡はずすって言ったよね?」 「・・はい。いってましたけど・・?」 「実は・・もう一つはずすときがあったんだ。・・それはね」 そこまでいって、眼鏡をはずした。 眼鏡の下には端正で知的な感じのする素顔があって・・ (・・!!か・・かっこいいかも・・) 思わず見とれてしまった海堂の、頭を片手で掴んで自分のほうにひきよせて・・ 唇に自分の唇を重ね合わした。 ・・いきなりキスをされた海堂当人はと言うと・・ 見とれていた顔が近づいてきて・・アップになって・・一体どうしたんだろう? と思う間もなく、あまりにも思いがけない行為をされて・・ ・・驚きのあまり硬直していた・・。 「こういうときだね。もうたっぷり見ただろう?かけるよ」 呆然としている海堂の唇を味わった後、 いつの間にか「かけたい」から「素顔をみたい」という本来の理由に戻し、 手元に置いてあった眼鏡をかけた。 「おーい・・海堂。しっかりしろー・・」 自分がしたくせに、よく言うものである。 「・・あっ!えっ・・あ・・」 意識は元に戻ったものの、言葉にはならない。 「・・やっぱり嫌だった・・?キスされるの」 「・・あ・・なんで・・いきなりそんなこと・・///!?」 「俺・・海堂のことがす好きなんだ。ずっとこうしたいと思ってた。  ・・今・・たまたまその機会があったから・・つい・・な。悪かった・・」  ・・本当は、他の海堂をねらっているレギュラー陣に対する、  あてつけでもあったのだが。 「え・・!?先輩が・・俺を・・好き・・?」 「そうだよ。・・男に告白されるのって気持ち悪いかなやっぱり・・」 「いえ・・別に・・?で・・でも・・俺、先輩の事が好きかなんて よくわからなくてっ・・!//」 「うーん・・そうだねぇ・・。さっき、俺とキスしたときいやだった?」 「そんなことは・・ない・・です///」 「いくらいきなりだからって、好きでもない奴・・しかも男にキスされたら、  怒るなり殴るなりするよな?それがなかったってことは・・ 俺のこと好きなんじゃない?」 「えっ・・えーと・・そうなのかな・・??」 「うん。そう。だから、俺と付き合って。ねっ!?」 「あ・・はい」 かなり矛盾点もあったのだが、つい勢いに流されてしまった海堂であった・・。 いいのか・・それで・・。 「それじゃあ・・俺から、一つお願い。 今ちょっだけ俺のこと抱きしめてくれない?」 「えぇっ!?な、なんでそんなことを・・///!」 「頼むよ!ちょっとでいいからさ」 「はぁ・・///」 なんだかよくわからないが、照れつつもぎゅ・・っと抱きしめた。 ーーレギュラー陣SIDEーー 手塚「・・い・・乾のやつ・・何故・・!?」 菊丸「あーー・・愛しの薫ちゃんの唇がぁ・・!!」 桃城「な、なんで先輩とキスしてるんスかっ!?」 越前「あれは・・してるというより・・されたって感じっすけど・・!!」 不二「ふふふふふふ・・・(笑顔3割増し中)」 大石「ふ、不二・・!?」 悲しむもの怒るもの・・様々であった・・。 そんな彼らを、もっとパニックに陥らすことが・・。 菊丸「・・ねぇ・・俺の錯覚・・?今・・薫ちゃんが乾に抱きついてるような    気がするんだけど・・?」 桃城「・・俺にもそうみえるっす・・」 手塚「・・どういうことだ・・!?」 不二「・・海堂君は乾のこと好きって事・・?    まさかあの海堂君が、遊びでああいうことするとは思わないんだけど・・?」 越前「乾先輩に・・おどされたってことは・・」 大石「海堂の顔真っ赤だな・・。別に嫌がってはなさそうだが・・」 菊丸「・・・!!ねぇ・・乾のやつ、何か言ってる・・!?」 海堂に抱き疲れている状態のまま、体の向きを変え、 こっちをしっかりとみて口パクで何かを言っている・・ 『・・か・・い・・・・ど・・・・は・・お・・れ・・・ ・・も・・ら・・・た・・ぞ・・』 全員「・・!?!?そ、そんなーーーーーーーっ!??!?!?!?」 レギュラー陣の謎の悲痛な叫び声と、公衆の面前でいちゃついている乾と海堂の姿は、 目撃者によって、校内で様々な噂が一ヶ月近く流れたとか流れなかったとか・・。 END

今回はギャグに走ってみました(笑) どんなにシリアスを書いても、どうしてもギャグっぽくなっていくのが、 私の小説の傾向だという事にようやく気付いた(鈍っ!) タカさんがだせなかった・・。 出すと、どうしてもタカ不二になってしまうのです・・(笑) 不明(笑)
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