続☆ はっぴーばーすでぃ!!

「ねぇねぇ、もうすぐ乾の誕生日だよねー?」 突然、そう言いだしたのは、菊丸英二。 大声でみんなに尋ねたのは、話題の主、乾貞治が珍しくも風邪でダウンして、 学校を休んでいたからである。 ついでに言うと、リョーマも委員会でこの場にはいなかった。 「うん。3日だからあさってだね」 「えーーー!?!?!?乾先輩の誕生日って、3日だったんすかっ!?!?」 「だからそうだって。何?桃、知らなかったの?」 「・・・しらなかったッス・・うわー、どーしよー俺、小遣い使い果たしちゃったよ!!」 「馬鹿め。俺は、そんなこと重々承知で、もうプレゼントも買ってある」 慌てる桃城と、それを冷めた目でみつめる海堂。 実に対照的だった。 「てめーっ!知ってたんなら、教えろよっ!!」 「ふん。知るか。知らなかった、てめーが悪い」 「う゛っ・・ちくしょぉ〜〜」 どう考えても、桃城のほうが分が悪かった。 「乾の誕生日か・・。今年は何を送るかまだ決めかねているな」 「手塚、乾にプレゼントあげるの今年で何回目?」 「・・そうだな・・幼稚園ころからだから・・かれこれ10回目か?」 「うわー。さっすが、幼馴染。すごいにゃ〜」 「英二。手塚があげているということは、手塚も毎年乾から貰ってるんだよ?  しかも、あの乾のことだから、手作りの品とかが多いんじゃない?」 「そうだな。去年は手編みのマフラーくれたぞ」 「にゃにゃにゃっ!!にゃにーー!?!?ずるいっ!ずるいっ!!  俺も欲しいーーーーー!!!!」 「英二も去年、なんか貰ってたじゃない?」 「あ、あれは・・」 「結局教えてくれなかったけど、一体なんだったの?」 「う゛・・期末テストの・・ヤマ・・」 「・・・なるほど・・・。だからあの時、英二異様に点数が高かったんだね・・」 不二は同情半分呆れ半分の目で、菊丸を見ながら合点のいったようにそう言った。 「先輩達いいっすね。俺、去年もらってなーい・・!」 「俺も貰ってない・・」 「桃城、海堂・・お前達は、去年のそのころはレギュラーじゃなかっただろう・・。  いくらなんでも、うちみたいに部員の多いクラブ、  全員に渡せられないって」 聞き手にまわっていた大石が、つっこみを一つ。 「そういやそうっすよねー・・。  あれ?ということは、この間、お前先輩から何か貰ったのかよ?」 「・・貴様に教える義理はない」 「なんだとー!!このマムシ野郎っ!!!!!」 「だ、誰がマムシだっ!!!」 あわや、掴み合いが始まろうとするのを止めたのは河村。 「も、桃、海堂、やめなって。走らされるよ?」 「・・桃城。海堂。グランド20週行って来い」 「あーあ・・」 「ええっ!!もう制服っすよっ!?!?」 ギャーギャー文句をいった桃城に、10週プラスされたのは言うまでもない。 「乾の誕生日か。僕もまだ買ってないんだよねぇ・・」 「あれ?不二、知ってたのにかってないんだ」 「うん。あれにしようか、これにしようか・・といろいろ迷っちゃってね」 「ふーん。そうなんだぁ」 「とにかく、何にせよ、気持ちこもってないと駄目だよね」 なんて、河村がぽつりと呟くと・・ 「「「「「「気持ちがこもってないわけないっ!!!!!」」」」」」 と何故か、妙に気合がはいった口調で全員にかえされたのだった。 〓河村隆の場合〓 誕生日当日。 まず最初に乾にプレゼントを渡したのは、意外?にも河村であった。 朝のロードワークのときに、乾は途中に有る公園でいつも休憩をしているのだが、 そこに、ひょっこりと現れたのだ。 「あれ?タカ?」 「あ・・おはよう、乾」 「おはよう。どうしたの?こんなところに・・?」 「え、えーと・・乾、誕生日おめでとう//!!」 真っ赤な顔をして、差し出したのは・・お皿・・? 「これは・・」 「お、俺がつくったんだ・・//乾に食べて貰いたくて・・//  生ものだから、お昼までもちそうもないから、今もってきたんだけど・・」 「ありがとう。嬉しいよ。朝御飯にありがたくいただかせてもらうね」 「う、うんっ!チラシ寿司だから、朝から食べても胃もたれしないし・・!!  じゃ//!!」 「た、タカ!?」 河村はあっという間に、どこかに走り去っていってしまった・・。 〓大石秀一郎の場合〓 「乾」 「あ、大石。おはよう」 部室に入って、まず最初に近づいてきたのは大石だった。 「誕生日おめでとう!これ、つまらないものだけど・・」 手渡されたのは、目覚し時計。 ちなみに、一度止めてものまた鳴るというタイプである(笑) 「乾、寝起き悪いだろ?これ以上、遅刻で走らされないためにも、  これ使って、ちゃんと来てくれよな」 さすが青学の母。 言ってる事もやってることも、ばっちりであった。 「うん。ありがと。助かるよ」 「じゃあ、俺、先にコートにいってるよ?」 「俺もすぐ行くよ」 〓不二周助の場合〓 大石の去ったあとに来たのは、不二であった。 「はい、誕生日プレゼントv」 「ありがとう。・・あけていい?」 「勿論!あ、刺さらないように気をつけてね」 「さ、ささ!?」 箱を開けて納得。 中には小さなサボテンの鉢植えが入っていた。 しかも・・何故か乾の眼鏡のようなものをしていた・・。 「僕がそこまで育てたんだから、大切に育ててね、乾サボテン」 「乾サボテン・・・くれるのはありがたいが・・  この眼鏡みたいなのとっていいいか・・?」 「駄目っ!!それがないと、乾じゃなくなるじゃないっ!!」 (俺は眼鏡が主体なのか・・?) 一応、心のこもったプレゼントなので、 怒るに怒れず、乾サボテンは乾の部屋の窓際にいすわるのだった・・。 名前・乾サボテン 種類・一応サボテン 全長・20cmほど 眼鏡らしきものを取ろうとしても取れない。 どうやら、体の一部のようだ。 謎に満ち溢れたサボテンである。 〓菊丸英二の場合〓 「い・ぬ・い〜vv」 「うわっ!!」 サボテンの入っていた箱を直そうとした瞬間、 飛びついてきたのは、勿論菊丸。 「あ、あぶなかった・・;;・・おい、英二。  もう少しで落とすところだったじゃないか!」 「あ、ごめーん。でねっ!乾誕生日おめでとうvv」 (・・全然反省してないな・・?) 「・・ありがとう」 「にゃvはい、プレゼント!はやくあけて〜!!」 「はいはい。・・!こ、これって・・ケーキ・・!?!?」 「そうだよーvおいしそうでしょvv」 「いや・・まあ・・おいしそうというか・・」 言葉を濁している理由。 それは・・ 「・・貰っといてなんだけど・・英二。  これもってくるとき振り回しただろう・・?ぐちゃぐちゃだぞ・・」 「えっ!?」 そう。ケーキは・・すでに原型をとどめていなかった・・。 「う゛・・う゛にゃ〜(涙)」 菊丸は涙を流しながら、乾のとめる間もなく走り去っていってしまった・・。 きっと大石のところだろう。 「・・ま、食べるけどね」 〓桃城武の場合〓 朝練が終わって、ベンチに座りデーターを整理していると、 どこからともなく桃城らしき声が聞こえた。 『乾先輩ーvv』 「!?桃・・・?どこだ・・??」 声のした方をよく見てみると、なんと何故か上半身裸で、 器用にも頭にピンクのリボンを結んだ桃城が、 こちらに向かって突進してくる・・・・!!! 「な、なんだ!?」 「せ・ん・ぱ・い!誕生日おめでとうございますっ!!  金なかったんで、是非、俺をうけと・・・おわっ!!!」 バサバサバサバサバサッ!! ・・・・・どこからレギュラー陣が突然現れ、 これまたどこからともなく取り出した、巨大な虫取り網で、 あっという間に捕獲され、連れ去られていった。 「・・・??一体あんま大きな虫取り網、どっから取り出したんだ・・???」 つっこむところ、違います。乾さん。 〓手塚国光の場合〓 お昼。 女生徒からもらった山のようなプレゼントを、 とりあえずどこかに置いて置こうと思い、 部室に向かおうとしている乾。 部室の扉を開けると、そこにはなんと先客が居た。 「あれー?手塚?」 「・・乾。やはり来たか」 「よくわかったね」 「みんな誕生日には必ずくるからな」 ようするに他のレギュラー陣も、誕生日及びバレンタインデー時は、 荷物を置きに来るのである。 「で。どうしたの?こんなところで」 「今日は誕生日だろう。ほら、お前にはあげ尽くしたからな。  ありがちになってしまったが」 お徳用ノート10冊セット×2。 実はありがちすぎて、他の女の子たちが我こそは 目立ったものをあげて・・!!ということで、 逆にノートのプレゼントというのは、少なかったりするのである。 「ありがとう♪ノートはいくつあっても足らないからね。助かるよ」 「ああ。じゃあ俺は先に教室に帰るからな」 「ちょっと待ってよ。俺も帰るって」 「いや。次は移動なんだ。悪いが」 そういって、手塚はさっさと出ていってしまった。 「・・いっしよにかえろうと思ったのに・・・」 さきほどの乾の微笑みで、鼻血がでそうだったので、 慌てて逃げた・・という真実は、手塚の名誉にかけて伏せておこう。 〓海堂薫の場合〓 放課後の部活。 真っ先に乾のもとにやってきたのは、海堂であった。 「い、乾先輩・・!!」 「ん?海堂か。どうかしたのか?」 「あ、あの・・!た、誕生日おめでとうございますっ//これっ!」 顔を赤らめ、照れつつも海堂は乾に細長い包み紙を突き出した。 「貰っていいのかな・・?」 「うっす//」 「ありがとう。まさか海堂から何かもらえるなんて、思ってもみなかったよ」 「・・悪かったっすね」 ・・すねてしまった・・。 そんな海堂を見て、乾はかわいいなと思いつつも。 「いやいや、言い方が悪かったかな。とにかく、嬉しいよ、ありがとう」 「・・喜んでくれたらいいっす・・//」 「あけてもいい?」 「いいっすよ」 「・・・・・これ・・・・万年筆・・?  ・・こんな高そうなもの、もらえないよ」 「いえ。そんないうほど高くはないんで気にしないで下さい。  それ、俺のオヤジが使いやすくて、気に入っているメーカーのなんすよ。  ・・さすがに、オヤジのつかっているのは高くてかえなかったんすけど・・」 「それじゃあ、ありがたく頂いておくね。ありがとね」 「う、うっす//そ、それじゃ!!」 ダダダダッ 海堂の姿はあっという間に、見えなくなってしまった。 「・・これから部活だぞ・・?」 〓越前リョーマの場合〓 誕生日だろうがなんだろうが、乾の行動はかわらない(当たり前) いつもどおり、ベンチにすわってデーターをノートにつけていた。 朝と同じ行動である。 ・・そして、やっぱり何かが起こる。 「ひゃあ!!」 乾は突然妙な悲鳴を上げた。 何かとても冷たいものが、背中から侵入してきたのだ。 「つ、つめた・・!!・・ふ、ファンタ・・・!?!?」 ズボンの腰の部分にひっかかっていたそれを取り出し、 いたずらの犯人の顔をじっ・・と睨みつけた。 「えーちーぜーん!!いきなりなにするんだっ!!」 眼鏡で隠れて見えないが、ただ今の乾の目尻には少し生理的な涙がたまっていた。 「プレゼントっす。いらないんすか?」 「あのなぁ・・」 反省の色がかけらもみえない後輩の姿に、さすがの乾もあきれ果てる。 「なんすか?」 「・・・・・もういいよ・・・。とりあえず一応ありがと。今のんじゃうよ?」 「どうぞ」 乾がプルタブを上げた瞬間・・! じゅわわわわ!!という音と共に、中味が一気に噴出し、 乾の体中にかかった。 「・・・・(呆然)」 (げ・・・さっき振り回したのがやばっかったか。・・・ま、いっか。  先輩が呆然としているうちに、逃げよっと) こうして、越前リョーマはまんまと逃げ出していった。 〓部員たちの場合〓 「あの・・乾先輩ちょっといいですか・・?」 ファンタでびちょびちょになったので、仕方なく学ランに着替え、 コートに戻ってきたところ、1年と2年の部員にそう声を掛けられた。 「ん?なんだい?」 「え、えっとですね・・!あの・・」 その一年は緊張しているのか、そのまま固まってしまった。 「乾先輩!Aコートの方にきていただけませんか・・?」 一年にかわり二年生がそう続けた。 「Aコート・・?いいけど・・?」 乾の今いる場所はFコート。 Aコートは正反対の位置である。 「・・・?」 Aコートの方を見てみると、何故か一年と二年のほぼ全部員が集まっている。 乾がAコートにたどりつくと・・ 「みんな準備はいいか?せ、せーのっ!!」 『はっぴーばーすでぃとぅーゆー♪はぴばーすでぃてぃあ乾先輩ー♪  はっぴばーすでぃとぅーゆー♪♪』 なんと全員で合唱をし始めた。 これには、さすがに乾もびっくり。 歌が終わるとおめでとうございます!という言葉と、拍手の嵐。 「お、お前ら・・・///  ・・・滅茶苦茶嬉しいよ・・ちょっと恥ずかしいけど・・。  ふむ。新しいデーターがとれた、な。つけとかないと・・//」 それは乾なりの照れ隠しであって・・ 「とにかく・・みんなありがとう」 ふわり。 そういう形容詞がぴったりあうような微笑みを向ける。 それに対して、部員たちは。 『ぶっ!』 鼻血を出すもの。 『・・//』 顔を真っ赤にするもの。 『お、押し倒してぇ・・!!』 ・・・・危ない妄想に浸るもの・・・・。 『乾先輩・・v』 惚れ直すもの。 ま、いろいろであった。 ちなみに何故か呼ばれなかった3年部員は、 横でひじょーーーに悔しがっていた。 (ただ3年は乾と同い年なので、  また別口で祝うのだろうと判断されたから呼ばれなかっただけだったり) 〓他校生の場合〓 お祝い騒ぎ(笑)が一段落し、また練習がはじめられた頃。 「乾。今、手が開いているなら、  体育倉庫の方からラインカーをとってきてくれないか?」 「ん。いいよ」 テニスコートから体育倉庫に行くには、通用門を通らなければいけない。 乾はそこで珍しい人物達を見た。 「あれ?観月・・・?・・と・・跡部・・!?」 珍しい人物であり、かつ珍しい組み合わせであった。 ・・二人の間には、険悪な雰囲気が流れているようだ・・。 (注・もちろん乾はその雰囲気に気付いているはずもない・笑) 「ああっ!乾君!!丁度良かった、今、そちらに向かおうと思っていたところなんですよ」 「よぉ。久しぶりだな乾」 乾の姿を認めるなり、光速の速さで近寄ってきた二人に、 びっくりしながらも、挨拶を返す。 「あ、ああ。久しぶり。今日は一体どうかしたのか・・?」 「乾君。誕生日おめでとうございます。これプレゼントです」 「乾。誕生日おめでとう。ほら、やるよ」 バサッ・・と同時に手渡されたのは、かすみ草の花束と薔薇の花束だった・・。 「は、花・・??」 「「あなた(お前)にぴったりあう花を選びました(選んだ)」 これまた同時にそう言う。 「・・・・薔薇の花ですって・・・!?  そんなケバイ花のどこが乾君にぴったりというんです・・!?!?  せめて、白でしょう・・・??  ・・まあ確かに、薔薇のように美しいという点では認めますが・・」 そのケバイ花をモチーフにした服を愛用しているのは誰だったか。 「薔薇といえば赤だろ!白など邪道だ。  お前こそかすみ草・・!?そんなチンケな花が乾だと・・!?!?  乾はもっと艶やかで美しいんだ! ・・まあ確かに、それはそれで淑やかな乾にはあうかもしれないが・・。」 「なんですって!?かすみ草は乾君の誕生花ですよ・・!!  そんなこともしらないで、よくもまぁ・・!!」 当人そっちのけで、口論をはじめた。 (注・小文字のところはお互い聞こえていない) 「ち、ちょっと・・!」 「やっほー!乾、久しぶりー♪」 「うわっ!!せ、千石・・・!?」 一体どこからわいて出たのやら。 片手にひまわりの花を一輪持った千石が、乾の背中に抱きついている。 ちなみに、観月と跡部はまったく気付いていない。 「おっ誕生日おめでとーーーvvはいっ!!」 「・・ひまわり・・・?」 「うん。それが乾君の笑った顔に似てるんだよねーvこれがvv」 「そう・・?ん、まあ、ありがとう」 そこまで言った時。 「「あっ!!千石(君)!?!?」」 ようやく気がついたらしい。 「・・・そうですか・・君もですか・・」 「ひまわりか。まあまあだな」 「ん〜。花だけじゃないんだよね。これ。これが一番重要で・・v」 「「「・・・・!!そ、それは・・・!!!」」」 山吹中への・・転入届・・。 「そ、それはどういうことなのかなぁ・・・?(汗)」 「今すぐ青学やめて、うちにおいでよ♪山吹はいいところだよーーーv」 「ちょっと待て!乾は氷帝にくるんだ・・!!選手でもマネージャーでもいいぞ」 「何言ってるんですか!乾君はルドルフに来るべきですよ。  僕と乾君が組めば、無敵ですよ!!」 堂々と他校(青学)の前で引き抜きをはじめた・・。 「お、おいっ!!俺は青学をやめる気は・・・・・・おわっ!?!?」 ダダダダダタダッ。 ・・突然、例の巨大な虫取り網をかかえたレギュラー陣があらわれ、 あっという間に乾を捕獲し、どこかへ連れ攫われていってしまった。 (ある意味乾さん、よりピンチ☆・爆) 残された3人は呆然とするばかり。 おまけ。 実は、乾のもとにあらわれなかったものの、青学にきていた人物が二人いた。 「ウス(涙)」 ・・一人は跡部においていかれ、木陰で見守っていた・・樺地。 もう一人は・・ 「・・結局、行き損ねた・・・・」 しっかり転入届をと白百合の花束を持ってきている橘であった・・。 観月達よりも早く来ていたのだが、どうも勇気が出ずにくずぐずしていて、 こうなったわけである。 ちょっぴり・・ 情けないね、タッチー♪(さっちゃん♪風に・爆) 〓乾貞治の場合〓 本当に一日の間にいろいろあって、ふらふらな足取りで帰途に着く乾。 (そのいろいろに先ほどレギュラー陣との間にあった何かが、  関係しているかは乾のみ知る・謎) 乾はこの瞬間があまり好きではなかった。 帰ったところで、両親は働きに出ていて遅くまで帰ってないので、 孤独な時間を過ごすことになるからだ。 しかし。 今日はいつもと違った。 「ただいまー」 『おかえりなさいーーーーーvvハル、ちゅvv』 『おかえり。遅かったな』 今日は。誕生日の今日だけは両親は二人ともとても早く帰ってきてきれて、 ささやかながらに、誕生日パーティが開かれるのだ。 「ただ今。母さん・・キスはやめてくれ・・。父さんも重いって・・」 乾母。 職業・婦警(正確には女刑事) 150cm、童顔。といったなりたちで犯人を油断させ、 数々の業績を残している敏腕刑事(合気道の達人でもある) ただ今、自分の身長をゆうに越える息子にだきつき、 ほっぺにキスをしまくっています。 乾父。 職業・演出家 身長は乾を超え、190cm近くある大男でありながら、 そのスマートないでだちと、知的なマスクで俳優に転向しないか? という話が飛んでやまない大人気演出家。 ただ今、乾母ごと後ろから乾をだきしめています。 (二人がでかすぎて、乾母の姿見えず・笑) 「なんだつまんないわ。私達ずっと待っていたのよ?  私、ずっとハルにこうしたかったのにー」 「そうだぞ。与えられる愛情は受け取られるだけ受け取るものだ」 「はいはい。わかってるって」 さっきから愛想のない口ぶりの乾だが、心のなかではやっぱり嬉しい。 まだ中学生なのだから、当たり前の感情である。 それでも、やっぱり照れくさくて。 「はい。あなたのほしがっていた腕時計よ。誕生日おめでとう♪」 「おめでとう、貞治。大事にしろよ」 「うん。ありがとう。欲しかったんだこれ」 両親に囲まれ、前々から欲しかったものも手に入れ、幸せそうに笑う乾。 「それにしても、ハルますますおっきくなったわねぇ・・。  ほんのちょっと前までは私とそうかわんなかったのに・・」 「まだまだだな。いつかは俺においつけよ?」 「母さん、俺これでも必至に努力したんだよ。  父さん、中学生で190なんて無茶苦茶いわないでよ」 そう言って、苦笑する。 「んー。とりあえず、生まれてきてくれてありがとう!貞治!!」 「母さんも生んでくれてありがとう。貞治は俺達の一生の宝物だからな」 「・・・ふぅ」 始まった。 母さんが『生まれてきてくれてありがとう』といい、 父さんが、『(母さんに)生んでくれてありがとう』と言う。 毎年毎年、このあとは二人いちゃついて息子の事はOUT OF 眼中。 乾にあえないということは、二人もあえないというわけで。 こうなってしまえば、乾もとめるのをあきらめて、自室に戻る。 「確か最後に三人であったのは・・一ヶ月前か・・。  あと、2時間はあのままだな」 パーティの時間まで、読む本。 その瞬間が乾にとって一番、幸せな時間なのである。

ついに完結いたしましたv(遅すぎ) いやー、改めてみると一話一話は短いけど、 全体的に見れば、長いこと長いこと・・・(汗) みなさんのお気に入りの話はどれでしょうか?(笑) 私は最後の「乾貞治の場合」ですv 中学生らしい、乾さんを書きたかったのと、 「あなたが生まれてきてくれて、本当に良かった」という、 セリフが書きたかっがために、このSSはじめたようなものだし(笑) っていうか、すでにSS(ショートストーリー)ではないな(爆) 私の中の乾さん両親は3パターンあって、 一つはこの小説みたいな方(笑) もう一つは、仕事ばかりで家族を返り見ない冷めた対シリアス用の家族(爆) もう一つは、某所の影響で、ちょっと不良っぽい、かっこいい母v(父は謎)←こら これかいてて悲しかったのは、オチがつかなかったことです(涙) 不明(笑)
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