ある日のできごと

「ウォンバイ手塚先輩!!」 審判のコールが無常にも鳴り響く。 ・・そうだ。自分は負けたんだ。 「・・いい試合だったな」 「・・ああ」 握手を交わした後、近寄ってくる後輩たちを軽くかわし、 無言のまま、誰もいない部室に向かう。 「やっぱり・・」 やっぱり、どうしてもあいつに追いつけないのか・・? どうせ追いつけないのだから・・。 できるだけ近くにいるような気分になりたい・・と思い、 あいつに関する事は他の誰よりもしっていたいと思って集めていたデーターにも 記してなかった事をあいつはした。 しかも、そのことを不二と越前の奴は知っていたようだった。 俺は全然知らなかったのに。 追いつきかったから、データーをたくさん集め計算し尽くしたけど駄目。 データーでもかなわないと知ってから、人の何倍もの努力をしたけど駄目。 ド ウ シ テ モ オ イ ツ ケ ナ イ それは、あいつの一番近くにいることができないことだ。 「あぁ・・俺、どうしちゃったんだろうなぁ・・。  頭ん中ごちゃごちゃして・・変になりそうだ・・」 いや、もうなっちゃってるんだろうな。 こんなことばかり考えているのだから。 自分らしくない。 そんなことはわかっている。わかっているけど・・ 『またあいつから遠くなった』 それを考えると、なんだかむしゃくしゃするような・・悲しいような・・。 とにかく、わけがわかんなくなる。 「・・はぁーーー・・・」 ガチャ 突然部室の扉が開き、誰かが入ってきた。 「・・!?て・・づか・・?」 何故ここにくるんだ。手塚はまだ試合が残っているはずなのに。 「・・乾・・」 「な・・に?手塚。試合はどうしたんだ・・?」 動揺が隠し切れず、少々つまったいいかたになってしまう。 「もう終わった。・・乾・・」 また、俺の名を呼ぶ。 何か言いたそうな目で俺を見る・・。 「だから・・なに・・?いいたいことがあるんじゃない・・?」 「・・泣くな」 「泣くな・・?誰が・・」 「お前に決まっているだろう」 「・・俺・・!?」 俺が・・ないているのか・・? 何故。 不思議に思って、目元に手を当てる・・指先に何か、冷たいものが触れる。 本当だ。泣いてる・・。 ・・何故か他人事のように感じた。 「どうしたんだ・・?試合が終わったから様子が変だぞ・・??  ・・そんなに俺に・・負けたのが悔しかったのか・・?  ・・こういういいかたは失礼だというのはわかってるが・・。  こういう結果は今回が初めてじゃないだろう・・?」 「・・わからない・・。ほら・・俺・・自分が泣いていた事に  さえ気付かなかったんだぜ?」 「・・しっかりしろ・・乾・・!!」 不意に抱きしめられた。 「て・・づか・・!?」 「・・なんだか・そのままお前が消えてしまいそうな気がした・・。どこへもいくな・・」 「・・?俺は・・消えないし、どこにも行かないよ・・?」 「・そう・・だよな・・。悪かった・・いきなりこんなことをして・・」 ぬくもりが離れる。 「・・別にあのままでもよかったのに・・」 「乾・・!?」 「あー・・俺・・今何か言った・・?」 「お前・・本当に大丈夫か・・?」 「・・大丈夫じゃないかも・・。ねぇ・・手塚・・」 「なんだ・・?」 「俺さぁ・・最近・・っていうか、ずっとだな。変なんだ」 「変・・?」 「そう。すごくお前の一番になりたいって気がするんだ・・」 「い・・ぬい・・!?」 ・・手塚に相談したら、このもやもやから解放されるかな・・? そう思って、いった。 「一番近くにいたい。お前の全部を知っていたい。  ・・もうわけわんないんだ・・。それしか頭になくて・・。・・もやもやする・・」 「乾・・それは・・」 「何・・?」 もうすぐ、この思いから解放されるかもしれない。 原因を知ってそうな手塚の言葉に、期待の眼差しをむける。 「その感情を・・好きって言うんだ。違うか・・?」 「・・?!好き・・?俺が・・お前を・・?」 「ああ。一体、何そんなに悩んでいるのかとおもえば・・」 あきれたように、溜息をついた・・。 「そう・・なのかな・・。これを好きって言うんだ・・」 「そうなのかなって・・いいかげんだぞお前。  でも・・その想いは報われるな」 「・・・?」 「俺も・・お前のことが好きなんだ・・。嫌か・・?」 手塚が・・俺を好き・・!? 俺も・・手塚を好き・・?? 「嫌じゃない・・かも」 「じゃあ・・両想いだな」 両想い・・。 「あぁ・・お前に相談したら、ますますわけわかんなくなってきた・・」 「本当に今日のお前は変だぞ。  まぁ・・心でわからないなら・・、体でわからせてやる」 「・・手塚・・?!むぐ・・っ・・!!」 手塚の顔がアップだ。唇に唇が触れている・・。 これって・・ 「キス・・?したの・・?」 「・・何故・・疑問形なんだ・・。駄目だな・・。まだわかっていないようだ。  今日、クラブ終わったら俺の家に来い」 「・・何で・・?」 「わかるまでしてやる」 「・・何を・・?」 「いいから。・・今日は両親もいないしな」 「・・・???」 やっぱりわからない。 一体何がいいたいんだ。 ・・何か・・ムカツイてきた・・。 そうだ。元はといえばこいつが原因なんだ・・! 「・・手塚なんか・・嫌いだ・・」 「はぁ・・!?何故そうなるんだ?!」 「嫌い・・」 「おい・・!乾・・!!」 だって、俺の心をかき乱すんだもの。 これは・・嫌いってことでしょう? ねぇ・・手塚・・? END

かいてる時はなんだこりゃ・・とか思ってたけど、 読み返してみたら、結構まともかな・・? なんて思っちゃったりしてしまいました(爆) 乾さん・・相変わらずの激ニブです(笑) 手塚部長はちょっと哀れな感じもしますが、 結局イイオモイをしているような気がするので、 よしとしましょう(爆) 本当にあの後の試合がこうだったらいいのに・・vv(無理だって・笑)  不明(笑)
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