MIRROR 3
「桃」
「あれ?乾先輩。もう大丈夫なんすか?」
予想通り、購買の近くでパンを食べていた桃城を発見し、
声をかける。
「うん。平気。それよりさ・・桃。ちょっと話があるんだけど・・」
「話・・っすか?」
「そう。ここじゃちょっといいにくいから・・あっちで聞いてくれない・・?」
「ん・・いいっすよ」
「・・で。話って・・?」
先ほどまで海堂がいた校舎の陰となっている所に着くと、
早速そう尋ねてくる。
「・・あのね・・桃にお願いがあるんだけど・・」
「お願い・・?」
「・・俺のこと抱いてくれない・・?」
「えぇ!?!?」
何かよほど重大な事なんだろう・・と、心の準備をしていた桃城であったが・・
さすがに驚きを隠せないでいた。
「抱いて・・って・・またなんで・・!?」
「実は・・俺と手塚がつきあってるの知ってる・・?」
「あ・・やっぱり本当だったんすね」
「そうだよ。それでね・・俺・・手塚と別れたいんだ」
「え・・わかれたいって・・」
「手塚の独占慾にもう耐えられない。人前で眼鏡をはずすなとか、
練習メニューを個人個人に作るのはやめろとか・・。
それに・・いつも無理矢理抱くんだ・・俺のこと・・。
いやだっていうのに・・どこででも・・。
さっきだって・・ほら・・」
シャツの首の部分を少し引っ張り、大量のキスマークを見せる。
「本当だ・・。でも・・俺が抱いたって・・」
「俺が他のやつに抱かれたのを知ったら・・
潔癖症のあいつの事だ・・もう二度と俺のことを抱かないだろう。
だから・・」
「・・・・いいっすよ。別に。
ただし俺のことは部長には内緒にしててくださいね」
「もちろん」
「・・眼鏡・・はずしますよ」
そういって、それを壁の段になっているところにおき、
乾に口付ける。
・・桃城のキスは・・手馴れていた・・。
「も・・も・・っ」
あっという間に身体は熱くなり・・
『・・先輩達・・何やってんすか?』
「「!?!?え、越前っ!?」」
いつの間にか、リョーマが興味深そうな目でこっちを見ていた。
「な、何って・・キス」
「・・そんなこと見たらわかりますよ。
俺がきいてんのは何で乾先輩と桃先輩がキスしてるかって事です。
乾先輩って、手塚部長と付き合ってるんじゃないすか?」
「そうだけど。それがどうかした?」
悪気のかけらも感じさせない顔で、リョーマを見つめる乾。
「それがって・・浮気はまずいと思うんすけど」
「越前。乾先輩はふかーーーーーい事情があって、こうしてるんだ!
・・けど・・、なんかお前のせいでやる気なくなっちゃったぜ。
乾先輩、すみませんけど、他の人を頼ってください」
「え?」
「それじゃ、乾先輩。また機会があったら抱かせてくださいねv
おい、越前行くぞ」
「はーい」
いったいなにしにきたんだか、今ひとつわからないリョーマを連れ、
桃城はグランドのほうへ行ってしまった。
「なんでこうなるのかなぁ・・つまんないな。
あーあ・・これで越前は誘えなくなっちゃったじゃないか」
そこまで言った時・・
隠れていた太陽が、すぅ・・と顔を出した。
「!!!・・・う゛っ・・・・あれ・・・?」
辺りを見渡す乾。
「ここは・・???っていうか、俺保健室で寝てたはずだけど・・」
俺って実は夢遊病だったのか・・?
なんて思ってみたけれど、だとしたら、わざわざ靴はきかえないわな・・?と否定する。
「・・しかもなんか体だるいし・・。あれ・・?まさか・・!」
ふと自分の体を見てみると、襟元には何故か大量のキスマーク。
「・・最後にしたのって・・かなり前だよな・・。
一体・・何故・・・????」
どれだけかんがえてみても、わかるはずもなく。
「・・これだけつけるのって・・手塚ぐらいだよな・・。
っていうか、手塚以外だと問題あるけどな。
・・手塚なら、ま、いっか・・なんか頭もぼーっとして考えもまとまんないし・・」
意外とアバウトな乾であった。
続く
久しぶりの更新だというのに、短くてすみません・・。
しかも、ますます訳わかんなくなってきたし・・(管理人にとっても・爆)
こんな小説でも、楽しみに待ってくださる方がいらっしゃるのが、
せめてもの救いだったりします・・v
内容のほうなのですが、桃←リョみたいな感じになってしまいました(笑)
実際のところ、桃リョやリョ桃にするかは全然未定だったりするのですが、
リョ乾のネタが思い浮かばなかったので、
リョーマには今登場してもらったりしたのです(爆)
あと・・一話か二話ぐらいで終わる予定です(笑)
4月20日
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