お酒はほどほどに☆(後編)
一方、こちらはビール組である。
「ぷはっ。やっぱ、風呂上りにはビールにかぎるっすね」
「越前、オヤジくせえな」
「ほっといてください。
そーだ、桃先輩、どっちが多く飲めるか勝負しません?」
「おお!いいぜ!!いっとくけど、俺強いぜ」
「のぞむところっすよ」
「あ、いいなー♪俺もまぜてまぜてvv」
「いいっすよ」
そうして三人は、次々とビールをあけはじめてしまった。
日本酒組はというと・・
「河村。この酒はどこのなんだ?」
「え?さぁ・・気に入ったのなら、今度聞いておくよ」
「ああ。頼む」
「って・・二人とも中学生の会話じゃないって・・」
「そういう大石こそ、結構飲んでるじゃないか」
「う・・まぁね・・」
大石にしてみれば、こんな状況素面でやってられるかって感じであった・・。
肝心のワイン組は・・
「ん。ちょっとこれ弱いね」
すでに一本開け、新たな酒(やっぱり強い)を飲み始めている不二である・・。
その傍らで海堂が・・
「・・もう・・ないや・・」
なんと、瓶一本開けてしまっていた。
コップいっぱいでああなっていたわけであるから、
今は・・当然・・
目は据わってるわ、全身真っ赤だわ、浴衣ははだけて妙な色気をだしてるわ・・
・・と。とんでもないことになっていた。
〓日本酒組〓
「この辛口がなかなかいいな」
「うん。父ちゃんもそう言ってた」
「へぇ・・それおいしいんすかー。俺にもください部長v」
「ぶはっ!!か、海堂・・・!?!?」
突然、肩に体重がかかったと思うと、耳元でそう囁かれる。
「か、海堂!?と、どうしたんだ・・!?!?」
愛しの彼が突然、自分に抱きついてきたのである。
「お・さ・け。下さいv」
「・・っ・・!?」
あきらかにいつもと違う。
いつもの海堂は自分に好意(憧れの先輩としての)は向けてくれるものの、
乾にしか笑顔は見せないし、こんな甘えた声なんか、
乾でさえ、ほとんど聞く事は出来ないのかもしれない。
・・・それが、今。
自分の身には・・何がおこってるんだ・・・!?
「ねぇ・・早く・・」
「・・わかった・・酌をしてくれたらやる・・」
「て、手塚・・」
「これ以上はまずいって・・」
「せーんぱいたちは、黙っててくださいーっ」
「「は、はい・・」」
上目使いで可愛く睨まれて、これ以上何かいえるわけなかった。
止めてはみたものの、二人だって海堂の事は気にならないわけないのである。
「はい・・手塚部長」
「ああ。ありがとう」
ちなみに手塚部長の心の中はというと・・
(くぅ〜〜!!手塚国光15歳!今、人生至福の時を過ごしておりますっ!!
神様、ありがとうーーvvv)
ファンの人には決してお見せできないような状況になっていた(爆)
「・・お酒」
「あ、あぁ。はい」
「ん。じゃあ・・これで・・」
ぐいっ。と一気にそれを飲み干してしまうと、
ふらふらとした足取りのまま、桃城たちビール組の元に向かっていった・・。
「「だ、大丈夫かな・・!?」」
〓ビール組〓
「っし・・これで3本目だ・・」
「まだまだだね。4本目」
「なにー!?」
「ちっちっちっ。俺なんか、もう5本目のみおわったもんねー♪」
「「げっ」」
「へっへー・・俺なんか、一瓶とグラス2杯ってか!」
「おわっ!?!?か、海堂!?!?」
自分のことライバル視しているはずの、あの海堂が、
いきなり抱きついてきたのである。
そりゃ、びっくりもする。
「桃先輩、ずるーい!」
「ん、んなこといったって!?!?!」
ライバル視してようが、なんだかんだいって桃城の場合、
好きな子ほど虐めたくなるという奴である。
嬉しい事には嬉しすぎる状況なのだが・・いささか突然すぎた。
人間、宝くじが大当たりしちゃったりしてもしばらくの間、
呆然としてしまう・・あれである(違うだろ)
「薫ちゃんたら、1本まるまる飲んじゃったんだー。やるねぇv
と、いうわけで、薫ちゃん優勝!!」
「っす。・・なら・・お酒ください」
「ん?いいよ。はい」
次に飲むはずだった酎ハイを一本渡すと・・
またもや一気飲みしてしまった。
「お、おい・・海堂・・!?大丈夫なのか・・!?」
「だーいじょうぶ」
すでに、口調が全然大丈夫じゃなかった・・。
〓ワイン組〓
「あれ?海堂君。おかえり。お酒貰った?」
こくり。
「ふーん・・よかったね。これも飲んでみる?」
「はい」
「わーーーーーー!!!ち、ちょっとまて不二!!」
会話を聞きつけて、慌てて駆けつけてくる苦労性の大石・・。
その後に、同じく苦労性であろう河村もついてくる。
「不二・・それだけはやめろ!!」
「今度はなに・・?ジン・・!?うわー・・・」
「別にいいじゃないv」
「「よくないっ!」」
「ちぃーす。どうしたんすか?」
「不二、よくそんなの飲めるにゃ・・」
「げ。不二先輩・・さすがにそれはやばいじゃないっすか・・?」
あの、リョーマでさえこれである。
「それ以上飲ませたら、アルコール中毒になるな。やめておけ」
「えー?大丈夫だって。はい、海堂君」
「っす」
『か、海堂(先輩)やめろーー!!』
ごくんごくん・・
あっという間に・・すべてのみほしてしまった。
・・海堂は・・床のほうをじーっとみたまま・・動かない。
「・・か、海堂・・大丈夫か・・?」
心配なって、大石が代表して声をかけると・・
「・・・・・」
コップを床に置いたかと思うと無言のまますくっと立ち上がって・・
『海堂・・!?』
みんなの見守るなか、海堂はよろよろと・・乾の眠っているところまでいき・・
そのまま乾の体の上に乗っかり、抱きついて乾の広い胸板に顔を埋め・・
すやすやと眠ってしまった。
それはそれは、しあわせそうに。
しかも、眠っているはずの乾の腕がぎゅ・・と海堂の身体を抱きしめる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バカップルっていやだよね・・・・・・」
「・・・・・・・・ああ」
「憎いっすねー」
「乾先輩も、あれ無意識でしょ?」
「バカップルっていやだよね・・・・」
もう一度繰り返す、不二。
「あー・・・・!!もう、宴会の続き続き!!」
「そうっすね!!今夜は飲み明かしましょう!!」
「賛成ーー♪あいつらなんか、ほっとこ!」
「・・みんな・・ほどほどにな・・」
みなさんは大切なことを忘れてらっしゃらないでしょうか?
そう。彼らはみんな・・・未成年です。
翌日、全員・・もとい一番きつい酒を飲んでいたはずの不二以外が、
二日酔いで悩ませられるのも無理のない話でありました。
おしまい
なるべく早く後編をUPするといいつつも、
結構立ってしまいましたv(爆)
あいかわらずギャグ一直線です(笑)
本当はもっと薫ちゃんの色気をかきたかったのですが、
ダーリンが眠っているためできませんでしたv(違っ)
最後のほうだけ乾海ですねぇ・・(人事のように言うな)
二人のバカップル振りを書いてみたかっただけです(笑)
ありがちなネタとなってしまいましたが(汗)
桃ちゃんは一体いくつビールを持ってきたんだというつっこみはなしでv(爆)
個人的には薫ちゃんの「・・一瓶とグラス2杯ってか!」が気に入ってますv(笑)
とにかく、888HIT氷雨様、ありがとうございましたーvv
2月21日
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